2013/08/21

弟の自殺を乗り越えて状況を振り返りました

今年のお盆で弟の七回忌を済ませました。

弟は20代で自ら命を絶ちました。

亡くなった当時から家族と弟の友人はパニック状態で、何をすれば助けられたのか、何が原因だったのか、出口の見えないトンネルで只々それぞれが罪悪感で自らを責める状況です。

親しい人間が自殺をすると罪悪感に迫られます。
自分が悪いのではないか、と。それは時間が解決するしかない心の傷となってしまいます。誰かが悪いのではないのですが罪悪感に毎日襲われます。

このような状況ですが、七回忌を済ませ私自身心の整理がついたのでここに状況整理を兼ねて書く事にしました。



弟は何故自殺してしまったのか
長年家族と弟の友人を苦しめているこの原因ですが、今となっては幾つかの要因が重なっていたことが分かりました。
はっきりとした「これだ」と言うものは本人にしか分かりません、いや本人にもよくわからないでしょう、なので推測でしかありませんが状況的に確信に近いと考えています。


1. 安定した職がありませんでした
経済的に不安定で、よく両親に援助を申し入れていました。
地元で暮らすことを拒み東京の専門学校を卒業後定職に就くことが出来ずアルバイトで生活をしていましたが、それだけでは経済的に十分では無かったようです。
経済的に不安定だと心が荒みます。一つの原因だったと考えています。


2. 友人が自殺しています
その友人Aは北陸地方から単身で東京に来ており、東京で自殺。
そのAの家族は高齢で東京まで遺体を引き取りに来ることが出来ないとの事で、Aの友人の弟と数人が遺体を車で運んだそうです。
その移動中は悲しみと無力感と罪悪感に押しつぶされそうだったと容易に想像できます。
この経験は弟の死に対する考え方を身近なものへと大きく変えたと考えています。
「Aが死んだ、奴もいるので俺も行くか」と。


3. 趣味に没頭し過ぎていました
バンド活動が悪いという意味ではありませんが、ギター・ベース・ドラムの周りをかき消す音とロック特有の歌詞によりトランス状態になりやすく、平時でもその状況が続き心身的によくない影響を与える可能性が高いと考えています。


4. 自殺当日はその寸前まで一人で飲酒していました
ビール500mlを3本と350mlが2本、泡盛や小瓶が3本、ウイスキーボトルの半分を飲んだ後がテーブルに残っており、警察で遺体を検めた際にも胃に多量の水分がある事が指摘されました。
相当な酩酊状態で正常な判断は不可能だったと容易に想像できます。


5. 鬱病になっていた様です
最も大きな自殺理由かもしれません。弟の日記や弟の友人の話では、長い期間眠れない症状で悩んでいたと分かります。
家族には全くその状況を伝えていませんでしたが確かに痩せてはいました。本人に痩せている理由を尋ねるとダイエットをしていると言っていましたが、今から考えると眠れず窶れていたのでしょう。
上に書いた幾つかの理由により徐々に心が疲れていき鬱を発症したのかと思われます。


6. 結婚を考えていた女性と喧嘩別れをしています
携帯電話の履歴、遺書、そしてその女性からの証言で自殺寸前まで揉めていたことが分かっています。
この女性に対し、自分の存在を大きく示したいという気持ちと絶望感が死へ背中を押した思われます。
男女の喧嘩や別れそして出会いは生きていると常にあります、平常心であればこの悲しみは簡単に乗り越えられたと思いますが、弟の当時の心情では乗り越えられなかったようです。
この女性には心に大きな傷を負わせてしまい申し訳なく思っています。


7. 物事を上手く伝える事が出来ない性格でした
幼いころから常に物静かで口数も少なく気持ちを伝えることに関して不器用な性格でした。言いたいことは伝えないと誰もわかってもらえない、と子供のころから何度も話しましたがその性格は最後まで変わらず表現の下手なままでした。
ストレスを上手く発散できない性格も理由だと思われます。



以上が兄として弟の事を考え、当時の状況や生活内容および友人関係を調べ辿り着いた弟の死の背景です。とても複雑で多くの問題が絡んでいます。
これらが同時に迫ってきたら私も自ら死を選ぶかもしれません。
死以外の選択肢が見えなくなってしまうのでしょう。


自殺を選択する事は他人事ではない現実で起こっている出来事で、いつ自分や家族が当事者になるのか分かりません。
そして残された者には罪悪感しか残りません。楽しかった思い出にも罪悪感が付きまといます。



そして今自殺を考えている人へ
整理したつもりですが複雑で上手く書けませんが、死ぬなとは言いません。
しかし自殺以外の選択肢を考えて冷静に判断してください。自殺してもそれで終わりではありません。
全てが終わると考えているのは自分だけでそれは大きな間違いです。
カッコいい自殺なんて物もありませんよ。